【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
……。
新田くんからもらった本を、大事にカバンへと入れる。
太陽はいつの間にか完全に沈んでいて、人工的なライトが道を照らしている中で、ふぅっと空を見上げた。
「…店、やってみるんだろ?」
隣から聞こえた優しい声に、小さく頷く。
「私、お花のことはまだ何も知らないけれど…、でも、やってみたいって思ったんです。
新田くんが言ってました。“花は人の力になり、勇気になり、そして、笑顔をもたらす”って。
凄い仕事だと思いませんか? たくさんの人の幸せのお手伝いを、私たちがするんです。
だから私も、ブーケを作ってみたいって思った。難しい仕事だと思うけど、でも、“やってみたい”と心から思えたんです」
見た目のイメージほど簡単な仕事じゃないことは、新田くんたちを見ていればわかる。
だけどそれでも、私はあの仕事を学びたい。
たくさんの人を、笑顔にしていきたい。
龍輝さんと話していたら、強くそう思った。
「…なりたいモノが見つかって、よかったな」
「はい!!」
と、元気よく返事をしたあとに気付く。
と言うか、思い出してしまった…。
私昨日、龍輝さんにヒドイこと言っちゃったのに…なのに今、なんでこんなにニコニコ話しちゃってるわけ…!?
私まだ、謝ってもいないのに!!
「あ、あの、龍輝さんっ…!!」
「ん?」
「き、昨日のことなんですけどっ…!!
私、凄くヒドイこと言って、凄く困らせちゃって…その…、ご、ごめんなさい!!」