【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
楽しそうな、顔…。
「花の話をするお前、すげー良い顔しててさ、“最近こういう顔見てないなぁ”って思ったら、ちょっと寂しくなった。
俺はお前のそういう顔を引き出せないのかな? 俺じゃダメなのかな? って、馬鹿みたいなことも思った」
「龍輝さん…」
「…最近ずっと上手く行かなくて、すれ違ってばっかりだったから、ほんと、久しぶりに見た気がする」
その顔は優しく笑っていたけれど、どこか辛そうで、悲しそう…。
「朔也や大雅、健吾や優…みんなと一緒に居た時は、いつだって笑顔で過ごしていたはずなのに。
俺とお前が二人で居ると、なんで上手く行かないんだろうな」
悲しそうなままの笑顔で空を仰ぎ、龍輝さんはフーッと息を吐く。
「ごめん。今のセリフ、あんまり気にしなくていいから。
ちょっとだけ…、ほんの少しだけ、昔が懐かしくなっただけだから。
行こう。もう夕飯の準備終わってるから、早く戻ってメシ食おう」
私の手をギュッと握り、龍輝さんはいつもみたいに微笑む。
まだ切なさは残っていたけれど、それでも龍輝さんは笑ってる。
「…みんなと居る時は、確かに楽しかったです」
龍輝さんに手を引かれながら、ポツリと言う。