【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3
……。
みんなが帰っていったあとの部屋に残っているのは、私と龍輝さんだけだ。
「洗い物を済ませたら家まで送るから、それまでのんびりしてていいよ」
「あ、私がやりますから、龍輝さんこそ座っててください!」
「いや、やりかけのまま渡したくない。つーか、今日はお前に満足して帰ってもらいたい」
優しい笑顔と、頬にされた優しいキス。
龍輝さんは笑顔のままキッチンへと向かい、洗い物の続きを始めた。
「…ありがとうございます」
だから私も笑顔で声をかけ、ソファーに深く腰掛けた。
それからふと、新田くんに貰った本のことを思い出す。
ただ座ってるのもなんだから、と、その本を読んでみることにした。
壊さないようにと慎重にカバンから取り出し、ゆっくりとページを捲っていく。
と、その時。
本の間に、二つ折りにされたメモ用紙が挟まっていることに気が付いた。
「…『真由さんへ』…?」
そこはバラの花について詳しく載っているページ。
メジャーな花だからか、色々な色のバラが写真付きで詳しく説明されている。
そのページに、『真由さんへ』と書かれたメモ…。
ゆっくりとそれを開いて目を通し、
そして、息を呑んだ。