【完】校内1のイケメンに恋をした!! 3


「…新田くん…」


涙がポロポロとこぼれ落ちる。

あのバラの花束は、新田くんが作ったものだったんだ…。
龍輝さんの“想い”を、新田くんが…。


「…ありがとう、新田くん」


涙を拭いながらにっこりと笑い、それから本に書かれた文字をそっと指でなぞる。




「このバラの、花言葉は…――」




――…そう言いかけた時、
龍輝さんがキッチンから戻ってきて、心配したような顔で私を見た。


「どうした?」

「新田くんが、これを私に…」


泣き顔で笑う私の手からその手紙を受け取り、中身を見たあとに龍輝さんは微笑んだ。


「お前が店で仕事してる時、新田に家まで配達してもらったんだ。
渡辺さんの花束を頼んだ時、俺のも頼んでいたから」


そうだったんだ…。

新田くんが配達に出るのは「いつものこと」だったから、全然気にしていなかったけれど。
でも新田くんは、龍輝さんのところへ花束を届けに行ったんだ…。


「…ずっと前から俺は、お前には桜が似合うと思ってた。
だから桜色の花をプレゼントしたいと思って、新田と相談して、そしてこの花に出会った。
色も形も大きさも、何もかもを気に入って、そして花言葉を聞いた時、もっと好きになった」

「…はいっ…」


微笑みの中で、私たちはそっと抱き合い、そして見つめ合う。




「俺の想いはずっと変わらない。
俺はずっと、ずっとずっとお前のそばに居る」


誰よりも近くに龍輝さんを感じ、誰よりも近くで微笑み合う。


「…私の想いは、龍輝さんとおんなじです」


何があっても、私たちは離れない。

それを永久(とわ)に誓いながら、私たちは甘くて熱い口づけを交わした。




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