君色。-kimi*iro-

しつこいよなぁ~
まるで酒の席で俺の酒が飲めないのか、と言ってくるおっさんみたいだ

内心では毒を吐きながら…神社の階段を見た

「…………助かった。こう君っ!!」

階段の所に濃紺の甚平を着たこう君が立っていた


「……桜?」

「すまん。匿ってくれ、しつこいんだ」

聞こえない程度の声でこう君に声をかける
後を見ながらこう君はため息をついた

「わかった……。くんの遅れてわりぃ」

「ほんとだよ。」

そのまま、暫く境内をぶらぶらと歩いた

「ありがと、悠紀さん見なかった?」

「や、見てねぇな…。それより周知らないか?」

あいつ来ねぇんだよ…。頭を掻きながらこう君は舌打ちをした



「みてないけど……なんかあれぽっい。」

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