君色。-kimi*iro-
重い身体を引きずって街へとでた
「なんかなぁ…」
もし、俺が有名人だったら?
普通の人間には有名人なんてやっぱり遠いのだろうか?
頭を振りかぶって前を見た
「芸能人だって、忙しいよな……。俺らの何百倍……」
馬鹿な考えをした自分が情けない
「………家帰るか…」
止まった足を進めた
「………あれっ!?桜さんっ!?」
「…誰だ………って、シノか」
「はい。お久しぶりです」
犬のように尻尾を振りながら近づいてくる様に見えた
「桜さんなんて言わなくていいよ」
「でも、桜さんは桜さんですから」
にこりと笑いながら俺に純粋な好意を寄せるコイツは変わらない