君色。-kimi*iro-
懐かしい看板が見えてきたからそこの角を曲がって扉を開けた


「りょーちゃん、久しぶり」

「あら、飲みにきたのっ!?」

「来ちゃ悪い?」

ニヤリと笑えばりょーちゃんは荒れてるわねぇ‥とため息をついた

「振られたわけ?」

「やっぱり居たろ?」

「はい。りょーさんジーマ2」

淡々と注文を進めるシノを横で見ながら紅に話しかける

「……振られたんじゃなくて逃げた」

「珍しい。博打はしないつってたもんな」

「叶わない、ならね」

紅は苦々しい顔で煙草をくわえた
仄かに漂う煙草の匂いは俺の心を落ち着かせた


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