君色。-kimi*iro-
カメラ
セピア色の景色
「……悠紀っ」
伸ばした手が届く前に悠紀は走りだした
「…っ!!」
思わず床を殴った。光が悪いんじゃない。光を拒めなかった俺が悪いんだ
「……っ…さい……ごめんなさいっ…」
光が泣き出した
その目には大粒の涙が溜まっていて
「…光が悪いんじゃないから……」
抱きしめようとして止めた
中途半端に俺が優しくするから光は俺を諦めきれないんだ
「俺が悪いんだよ……。」
光にも、悠紀にも中途半端な俺が悪いんだ
「………あたし…もう平気だから…」
光は潤んだ瞳のまま俺を見つめる
その表情は居たたまれないものだった