君色。-kimi*iro-


振り返った茶芽さんにとっさに俺は目を閉じた


「………よかったっ………」


「……へ……?」

「お前が無事でよかったっ」


優しく抱きしめられた


「………っ……ごめんなさいっ…」

「…いいんだっ…お前だけでも俺を覚えててくれるなら」


「……俺が…っ……」

その先は言えなかった。きっと茶芽さんは怒るだろう


仮定から事実に変わった。それは、もう取り返しのつかない事で



茶芽さんの中の捺穂さんを俺が殺した


俺が死ねば良かったなんて


きっと怒るだろう………



「………ごめんなさい………」






繰り返し呟いた


「産まれて来なきゃ良かった…」





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