君色。-kimi*iro-

やつれた、とは思う

細くなった腕、体、脚

「………夢を見るんです」

「夢?」

「大切な人を傷つけた瞬間が何回も……流れるんです」

あなたがトラックに引かれる姿を…

逆光で見えなかった顔



「産まれて来なければ良かったのに……っ……」

ギュッと唇を噛み…握ったシーツはしわくちゃにして


「…そんなことないわ……」


捺穂さんを見れば、彼女は……泣いていた

頬に雫を零して、笑って俺を見つめた


「……笑って、上を見るの」

「えっ?」

「沢山の星が瞬いてるじゃない。それを見ないなんて勿体ないわ」

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