君色。-kimi*iro-

「……えっと、捺穂さん。此方、俺の…友人の前田悠紀さん」

「こんにちは」

「こっこんにちはっ!!前田悠紀です」

「悠紀さん。此方が椎名捺穂さん」

「どうも椎名です
……可愛らしい方ね」

「ありがとうございます」

捺穂さんの笑顔は変わらない。寧ろ少し老けたように見える
もし、あのまま記憶があったなら…
不謹慎なことを考えた


「茶芽さんは?」

「彼、今日も来てるわ」

愛おしむような柔らかい笑顔



あぁ…この人はやっぱり茶芽さんを愛しているんだ



と再実感した
2人きりで話がしたくて悠紀に声を掛ける


「……悠紀さん、ちょっと飲み物買ってきて貰っていい?」

「うん」

悠紀はすぐに病室から出て行った

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