君色。-kimi*iro-


「ごめんなさいっ!!」


真っ先に頭を下げた

もう自分がわからない


「…頭を上げて?」

「………記憶の事を…」

「聞いてるわ」

淡々と答える捺穂さんに申し訳無くなる。


「でもね、怒ってないのよ。茶芽だって、あなたを許してるの。……あたし、記憶が無いのは悲しいわ」


「………ごめんなさい…」

「謝って欲しいわけじゃないのよ。



ただ、もう自分を許してあげて」


そっと手のひらに触れる捺穂さんの手


「あたしは、もう泣いて欲しくないのよ」


「あなたにも、茶芽にも」


ポツリ…と拳を涙が濡らす

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