君色。-kimi*iro-
「………」
「……あっラムっ!?」
「え?……へっ!?」
前田悠紀の声がしたかと思ったら
脚にどんっ!!と何かが当たり
素っ頓狂な声を出して倒れてしまった
「ぁいてて…」
ハッハッと息を荒げながらブンブンと尻尾を振る生き物
「こらっ!!ラム離れなさいっ!!」
前田がグィッと俺からそれを離した
「………犬?」
黒くて立派な体躯にくるんと巻かれた巻き尾、足には白い部分がある中型犬がいた
きっと柴犬なんだろう…と俺は頭の中で考えていた