君色。-kimi*iro-

「………おう。お帰り」

悠紀がいつもの笑顔で迎えた

「ただいま…ゆきさん…」

体を進めようとしたら足がもつれて倒れた

「えっ!?桜っ!?」

「っ…へ、き…あるける……っ…」

酷く呼吸がしにくい
息があがる。

体はただ息をしようと必死にもがく

「桜、一旦ソファーに行こう……?」

腕を肩に回されてソファーまで運ばれた

「……何かいる?」

「……っ…水っ…頂戴……?…っ」

分かった、と悠紀さんがその場から離れていく

「……きっつ…」

額に手の甲を押し付け目を瞑るとさっきの映像が浮かぶ……
ぐっと堪えないと涙が出そうな位目が熱かった

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