君色。-kimi*iro-

「だ、大丈夫?」

「………へいき。」

「飲み物買ってくるね。」

悠紀が気を利かせて俺から離れようとするから腕を掴んだ


「さ、桜?」

「……しばらく。」

「…な、何……?」

「しばらく、手を握ってくれないか?」


声が震えて、足も力が入らない

「…わかった。」

ぎゅっと力強くでも優しく、手を握ってくれた

「ベンチ座ろっか」

「う、うん」

優しく優しく握ってくれた手からは悠紀の体温がじんわりと伝わった





あんたは、どこまで優しいんだ?

< 64 / 212 >

この作品をシェア

pagetop