君色。-kimi*iro-
悠紀の言葉は俺の戒めを解こうとする
「………それ以外に道は無いんだよ」
『守ってあげるからね』
「ちがう、あるわよ。」
「無いよ。俺の等価交換だ」
「あたしを見て?」
優しく俺の手を引く
「暖かいでしょ?…生きてるのよ、あたしも桜も」
「…でも……」
「生きるものには心が有るの。桜は生きてる。だから、もう許してあげよう?」
「許す?許すも何も俺は……」
「無自覚に自分を卑下しないの
あたしに可愛いとか好きとか、言葉をくれたじゃない」
混沌とした頭に優しい言葉が降ってくる
「…俺が無自覚ならあんたは、ド天然のたらしだなっ」