みさきのココロの扉
母親は私が18歳のときに、癌で亡くなった。
私が某百貨店に就職を遂げた6月に、癌で命を落とした。

これから親孝行をするつもりだった。
母親は私が初任給で買った1万ほどの指輪をはめて、火葬された。
娘達の結婚式にも、孫の顔さえ見ずに、母親は亡くなった。
41歳だった。

私の怒りの矛先は、エロ親父に向かっていた。
テメエが殺したんだ!
苦労させるだけさせといて、自分はトンズラしたのだ。エロ親父は再婚していた。
二人連れ子で三人目は自分と再婚相手との子供だったらしい。

この世の中に、私の知らない半分血が繋がった兄弟が居るのだ。

我がの子供の養育費すら払えなかったエロジジイが、全く血の繋がらない子供を育て、知らない所で異母兄弟を生産していたのだ。

しかも、実の娘に性的虐待を繰り返していた腐れ外道がだ!

この時ほど殺意を覚えた事はない。その当時はエロジジイに関して本気で殺してやる!大事な母親を殺したのはテメエだ!!
自分だけ幸せになろうなんて、甘いんじゃボケ!と、本気で考えていた。

死ねばいいのに。

叔母が葬式に出席したいとエロジジイが言ってきたと私に相談してきたが、私は拒否した。

天国の母親も、エロジジイに参列などして欲しくないだろう。


母親の死後、私はまた壊れた。
18歳で実の母親もエロいくそジジイとも離ればなれになってしまったのだ。


どうして私だけがこんな仕打ちに合わなければならないのだろう。

人は簡単に死ぬということを、私は思い知らされた。
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