みさきのココロの扉
寮は楽しかった。
同僚や先輩が沢山居て、淋しさを紛らわせることが出来た。

しかし一人の時は泣いていた。
たった一人の母親を、私から奪うのはいくら神様でもひど過ぎる。

泣き暮らしていても仕方がない。
私は立ち上がった。

そしてその頃、二歳下の妹より相談を受けた。

「大阪に帰って、姉妹三人で住みたい」

血が繋がっている親族は行方不明になっていたエロジジイ以外、姉妹三人だけになった。

離れて暮らさなくてはならない理由はない。


私は課長に申し入れた。
通常は送ることのない求人票を、妹の学校に送ってもらったのだ。

一番下の妹はちょうど中学生になるときだった。

二人働いていれば、一番下の妹ぐらい養えるだろう。
母親の遺族年金も少しばかりあった。

小さなアパートを借り、姉妹三人の生活が始まった。
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