みさきのココロの扉
二軒目の医師から貰ったルボックスとデパスが無くなった。

死にたいはずなのに、何故か薬は飲まなきゃいけないと思った。

ネットで精神科を探す。
なんとも胡散臭い病院だったが、渋谷にあって予約無しで受診出来るところはそこしかなかった。

かなりじいさんな医師に、抑鬱神経症だと告げ、とにかく同じ薬を処方して欲しいと言った。

仕事で東京に来て、出張が長引き薬が切れてしまったと嘘をついた。

じいさんな医師は、「抑鬱神経症なんかじゃないじゃろ。立派なうつ病だ。」と処方せんを書きながら吐き捨てるように言った。

うつ病…。

じいさん医師は、私が認識しながらも否定していたことを、いとも簡単に告げた。

私はうつ病だった。

まさか私がうつ病になるなんて…。

二軒目のヤブ医者ぶりにヘドを吐きながら、薬を取りに薬局に行った。
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