蝶々が飛んだら
1
今日は朝から雨で傘が手放せない。私にとって傘をさせていることは、とても都合がいい。
私は、一つの恋を失った。
傘のおかげで周囲の人に私の顔なんて見えない。だから、涙もうまく隠れてる。
街を歩く人も私と同じく足元を気にしているから、誰も私のことなんて気にしていないかもしれないけど、誰にも見られたくなかった。
そんな足元を見ているうちに、涙がとめどなく流れてくる。
天気は晴れ。
「靴ひもがほどけてるよ」
「あっ……」
「蝶々結びが苦手なんだっけ」
そう言って、靴ひもを結ぶ。
「私ね、小学生のときも友達に結んでもらっていたの。今は自分で結ぶけど、すぐほどけちゃうんだ」
そう言う私を彼は優しい目でみつめていた。
天気は雪。
私の誕生日に、彼は靴をプレゼントしてくれた。
「靴ひものないタイプにしたよ」
「ありがとう」
この時も笑顔だった。彼も、私も。
それから雪が溶けて、桜が咲いて、気付いたら半年が経っていた。
私は、一つの恋を失った。
傘のおかげで周囲の人に私の顔なんて見えない。だから、涙もうまく隠れてる。
街を歩く人も私と同じく足元を気にしているから、誰も私のことなんて気にしていないかもしれないけど、誰にも見られたくなかった。
そんな足元を見ているうちに、涙がとめどなく流れてくる。
天気は晴れ。
「靴ひもがほどけてるよ」
「あっ……」
「蝶々結びが苦手なんだっけ」
そう言って、靴ひもを結ぶ。
「私ね、小学生のときも友達に結んでもらっていたの。今は自分で結ぶけど、すぐほどけちゃうんだ」
そう言う私を彼は優しい目でみつめていた。
天気は雪。
私の誕生日に、彼は靴をプレゼントしてくれた。
「靴ひものないタイプにしたよ」
「ありがとう」
この時も笑顔だった。彼も、私も。
それから雪が溶けて、桜が咲いて、気付いたら半年が経っていた。
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