あした、晴れ～An enthusiastic kiss~

　－ランチタイム－　ほぼ外食ばかりの日常で、食欲がわくこともあまりない。
早めに教室を出てスタバでカフェラテとサンドイッチを買う。いつも以上に混雑していたので少し時間が心配になる。抜け道を使って裏庭から建物の横を曲がろうとした時、出会い頭に誰かとぶつかった。

「Oops.Excuse me.」
「It's Okay.」

　そう言って僕を見上げた女の子は、ほんの一瞬僕の顔を見て不思議そうな顔をした。はっきりと何か言われるわけでもないのに、僕はその子の瞳に少し戸惑った。それを悟られたくなくて足早にその場から立ち去ることにした。


　この大学は、アジア系の学生が多いことでしられてはいるけれど、アジア人同士だとそれぞれがどこの国の出身かは、なんとなくわかる。一瞬だけすれ違ったあの子も同じ日本人だった。

　広いキャンパスの中で再び会う確率なんてほとんどないに等しいだろう。


（ふんわりした感じの女の子だったな……。）


　彼女の瞳が印象に残ったけれど、それ以上僕の思考の中にどんな気持ちも起こらなかった。
　機械的に食事を終わらせて、午後の授業に備える。




　僕の人間らしさってどこにいったんだろうな……。

日本のそれとは違う、青い空を見上げてため息をついた。