拾うな危険!
ぺろっ。
「…なっ。」
パンダはそのままやさしく
シンの血を綺麗になめとった。
最後の一滴まで逃さないように。
ちゅぅーーっっと吸い付く。
ほわん。とパンダの体が光につつまれる。
小さな光が無数に散らばったかと思うと、
また再びパンダのもとへと集まり
ぱちんっと小さな音をだして、はじけた。
「あ・・・?」
シンは、思わず声を漏らした。
「ぱ・・んだ?」
そこには、
金色の髪やブルーの瞳は
そのまま、
しかし、背格好だけは
シンと同じくらいの
青年がたたずんでいた。
身にまとっていた
黒い布がひらりと揺れて、
これが『パンダ』なのだと認識する。
まだ止まらないシンの血が床にぴちゃんとはねた。