拾うな危険!
「つまり、なんなんだ?
お前は、俺が名前を付けたから『お礼』をするまで、
俺のもとを離れられないってわけか?」
「まぁな。
それが『名付けの契約』だからな。」
お礼って言われても、
コイツが出て行ってくれることが一番のお礼なんだが。
「じゃぁ、この荒れた部屋をお礼に片づけて。
それでいいだろ?」
「はぁ?
お前、悪魔を捕まえてそんなことさせるわけ?
もっと、あいつを呪えとか、
地位がほしいとか、そんなのは無いのか?」
「---あぁ。あるよ?
バイト先がほしい。
いま、俺、無職なんだよね。」
「はぁーー!!!???」
俺はいたって、普通だ。
別にからかっているつもりはない。
ただ、
本当に欲しいものを言っただけなのに。
パンダがそこまで怒る気はよくわからない。
まったく、
悪魔っていうのは自己中な奴だな。