拾うな危険!
祝・就職
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「今日から、ここで働く『森益 心(モリマス シン)』君だ。
みんな、仲良くしてやってくれ。」
「森益 心です。21歳です。
シンって呼んでください。」
俺は紹介されて、深々と頭を下げた。
今日から、このカフェで働くことになった。
しかも、「店長候補」として。
俺はそんなに愛想がある方じゃないから
大丈夫かと思ったが、せっかく手に入れた就職先を棒に振るほど馬鹿じゃない。
一通り業務を教えてもらうと、
ホールへと出た。
「よぉ。似合ってるじゃん。」
「---ほんとだ。」
客から声がかかる。
この仕事を手配してくれた奴。
パンダとリュリだ。
金髪にブルーの瞳。
美少年の外人風の青年と、
真っ黒な少し長い髪をたらした美少年。
今日は二人とも真っ黒いマントみたいなものをつけていなく、
普通にラフな格好だった。
二人で座っているだけで目を引く。
「なんだ。まだいたのか?
---あー、今は『見える』か?」
「まだ居たのかって失礼だな。
今は、みんなに『見える』ぜ。」
「一応、迷惑をかけたようだし、
---パンダの名付け親だし、挨拶してから『帰ろう』とおもってな。」
どうやら、二人は和解したらしい。