恋いトビ。〜Teacher,teach me ?〜
香里奈が来たのは、それから二十分後のことだった。
「三十分後って言ったじゃん!!」
「だって、早く会いたくて」
駅前のカフェに入り、頼んだアイスティーにミルクを入れ、ストローで無駄にグルグル掻き回していく。
つい、かなり前から待っていたことを漏らすと、呆れ気味に苦笑された。
だって、仕方ないじゃん。
初めてだから。
経験したことのない未知の世界だから、不安でいっぱいなんだよ。
「で、誘われちゃったわけだ。そっかー、紗夜香たちもついにね」
「うっ、うん」
「怖いの?」
「何で分かるの?」
私の顔を見て口元を緩め、指でツンッとおでこをつついてきた。
「眉間にしわ寄せられたらねー、誰でもそう思っちゃうでしょ」
「そっか」
ため息が漏れてしまう。
どうしてみんなあんなに嬉しそうに、彼としちゃったとか言えるんだろう。
私も颯平も裸になって、で、アレがアレに入って、って……。
「あーっ、やっぱ無理ー!!」