恋いトビ。〜Teacher,teach me ?〜
秋、園内のカフェ――。
私もこの場所も、五年前と比べたら変わっているはずなのに、何でかな。
何が変わった?
と聞かれると、フフッ。分かんない。
「先生……ハル君。来てくれるかな」
椅子に座って頬杖をつき、テーブルの上のグラスの中をストローでクルクル回す。
氷が音を立て、アイスティーが渦を巻く。
二階のテラス席、先生が来たらすぐに分かるよね?
きっと、先生も変わっていないはず。
「飛べるかな」
私が簡単に飛んだら、絶対目を丸くしてビックリするよね?
今度は私が驚かせようかな。
って無理だよね。
私、あれ以来絶叫系には乗ってないし。
乗れないから。
先生と一緒だったら頑張れる気もするけれど。
「やっぱ無理かな〜」
約束したんだけど、ね。
ストローを回すのを止めて口に近付け、アイスティーを飲もうとした時だった。
見覚えのあるシルエットに、胸がトクンと静かに音を立て始める。
……先生?