恋いトビ。〜Teacher,teach me ?〜
きつい言葉を吐くかと思えば、優しい言葉をかけてきたり。
馬鹿にしたように笑ったかと思えば、無邪気に笑ったり。
何だかよく分からない彼と、結局ベンチに腰かけて隣り合わせ。
人で賑わう園内だけど、神経を集中して耳を澄ませば聞こえてくる春の音。
じゃあ、ドキドキと聞こえてくるこの音は?
春の日差しよりこの状態が暑いと思うのは?
と、とりあえず。
緊張しているみたい。
彼氏の颯平といる時でさえ、こんなにも緊張したことがないのに。
行くあてのない視線を、ギュッと抱きかかえているスクールバッグに落とす。
横目でチラッと見た、私と彼の距離。
拳一つ分。
なわけないんだけど。
実際は人一人分離れているのに、何だかそれくらい近くに感じてしまう。
私と彼の間にペットボトル。
この状態に再び喉がカラッカラになってきた私は、間接キスと言うことさえ忘れて手を伸ばしていた。