恋いトビ。〜Teacher,teach me ?〜
いいかげんうざくなる自分の思考に、首を左右に思いっきり振る。
「どうしたの?」
「ううん、何でもない。……で、優美はどこに向かってるの?」
ただついていくだけの道のりは、目的地さえ曖昧で分からない。
ひたすら中学校の校区を歩いているだけみたいで、気になって聞いてみたわけだけど。
「どこって、テキトー。話せればどこでもいいんだけどね。どこか行きたいとこある?」
「適当って……。けど、特に思いつくとこもないし」
「じゃ、テキトーで」
笑う優美に続いて私も苦笑して、結局そのまま気ままにブラブラと歩くことになった。
他愛ない話を交わして、当たり障りなく時間が過ぎていく。
だけどそれも、突然投げ掛けられた質問で、事態は急変する。
「そう言えばさー、最近颯平とどうなの?」
ドクンッ――。
胸が過剰に反応を示す。
「……ボチボチ、かな」
何で隠したのか分からない。
そう言えば優美にはまったく話していなかった。
そんなことに気が付いた。