恋いトビ。〜Teacher,teach me ?〜
いろいろと拍子抜けしてしまった私は、急に肩の力が抜けた。
返す言葉も見つからず、ボーッとしてしまう。
「朝早くに連絡してくれたから突然って訳でもなかったし、別に気にすることないって。俺としてはバイト代増えてラッキーみたいな?」
あまりに軽くて、思い悩む自分がバカみたいに思えるほど。
木原さんは飄々としている。
「穂積さんってさ」
「はい……」
「真面目ってよく言われるでしょ?」
「あ、そうですね」
思い返してみれば今日は、特にその言葉を連発された。
真面目、真面目って。
それがいいことなのか悪いことなのか、その分別もつかなくなるくらい。
「大体さー、休んだからって、シフトのない日にわざわざ謝りに来た子も初めてだよ」
「それ、さっき店長にも言われました」
「だろ?」
私の目を見て笑って。
何が可笑しいんだか、私もつられて笑う。
そして、ピョンっと軽快に立ち上がった木原さんは、上から見下ろしてまた笑う。
「穂積さんさ……」