恋いトビ。〜Teacher,teach me ?〜

街中にあるカフェのようなお洒落な内装に、豊富に取り揃えられたメニュー。

高校との違いに驚き、何にするか凄く頭を悩ませて注文した。

ペスカトーレにミニサラダ付きで五百円と値段も安くて……って、まぁハル君が奢ってくれたんだけど。



「つーか、あの時着てたの中学の制服?」

「はぁ、まぁ……」



話はそんなとこから始まり、自らあの時のことを掘り返す亘さんのこと、呆れるような憎めないような。

そんな気分になってくる。



「やっべ。さすがにそれは犯罪だよな。ハルーっ、止めてくれてありが……ってて!!」



学習能力のない人。

今度は望さんに頬をつねられている。



「本当こんな奴でごめんねー」

「あっ、いえ」



何だかズキンッてした。

客観的に見てやっぱり、この年の差はないんだなぁって。

遠回しに誰かに囁かれたような気になる。


フォークでグルグルグルグル、パスタを巻き付ける。

一口サイズ以上のそれを口に運ぶこともできず、またグルグルグルグル巻き付ける。


グルグルグルグル。

私は何をしたいのか。

私はどうしたいのか。


未だ抜け出せない迷路の中。



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