恋いトビ。〜Teacher,teach me ?〜
驚いて言葉にならない。
図星を指されて、体中の血の巡りがよくなっていく。
「そっかそっかー」
嬉しそうに顔を緩ませた望さん。
ちょっと二人で話しましょ?なんて言って、ハル君たちがいる場所とは反対に歩き出した。
真っ赤な顔になって湯気さえ出そうになりながらも、ハル君が想いを寄せた望さんのこともっと知りたくて。
私は後ろをついていった。
「ちょっと待ってて」
階段を降りて地下一階につくと、大きな売店と本屋があり、その隣にはテーブルと椅子が並べられた広いスペースがある。
そこに座って待ちながら、横目で周りを眺める。
たくさんの学生が参考書を開いて勉強していたり、集まって話をしている。
「講義の取り方によってはなか一時間空く人もいるから、ここでよく暇潰しするんだよね」
ペットボトルとお菓子の袋をテーブルに置き、望さんは正面に座った。
お礼を言ってそれを受け取ると、視線を感じて私も見つめる。
「ハルは本当にいい奴だよ」
何だか……モヤモヤする。
言われなくてもそんなことは分かっている。
それよりも、その言葉を聞いてひっかかる。
心の中の自分の想いと重なる。
「じゃあ……」