恋いトビ。〜Teacher,teach me ?〜

好きな人のことを語っている時って、いくら年をとっても可愛いのかもしれない。

いつもより幼く見えるのは、恋という魔法のせいかもしれない。

そういうのが凄く羨ましくなる。



「望さんは、何て言ったんですか?」



気になって問い掛けると、



「嬉しかったんだけどね、人前だしハルと別れたばかりだったし、何も言えなくて」

「それじゃあ」



どうやってヨリが戻ったの?

とか思ったけど、そんな疑問もすぐに解決された。



「ハルがね、立ち上がって私のほうへ歩いてきて、そして、

“俺に遠慮して応えられないなら、俺は二度と二人とは関わらないから”

ってすれ違いざまにそう言って教室を出ていったの」



ハル君、らしいなって。

あの頃も今も、ハル君は変わってないんだね。



「クサイこと言うよね」

「でも、私はそんなハル君に何度も救われたんです」



そう、最初は高校受験の失敗からだった。

遊園地で初めて出会ってからまだ三ヶ月ぐらいなのに、思い返せばいつもつらい時には隣にハル君がいた。

私を導いてくれた。



「本当にハルのこと好きなんだね〜っ!!」

「あっ……」



確かにそうだ。

偽れないハル君への気持ち。



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