恋いトビ。〜Teacher,teach me ?〜
「バーカ、何泣いてんだよ」
「だって……」
一度零れたら止まらなくて、鼻まですすっちゃって、これ以上言葉が出てこなかった。
あー、私まだ、
子どもだな。
そんなことを改めて思う。
最後まで笑顔で「またね」って言いたかったのに。
シアトルに行ってしまうハル君に、また、会えるよね……と願いを込めて。
そんな私の涙をハル君がそっと拭ってきた。
触れる指先に驚いて、胸が飛び出しそうになる。
一気に目を見開いて、まばたきも忘れてハル君を見つめる。
「泣かれたら……抱き締めたくなるだろ」
……これは、自分に都合のいい夢を見ているの?
……それとも聞き間違い?
「あーっ悪い!! ……忘れて」
そんな私の考えを打ち砕くかのように放ったハル君の言葉に、ドクンドクンと心臓が脈打つ。
「ハルく……ん、それって……」
期待しちゃうよ。
もしかしたら、ハル君も私のこと好きなのかもって。
続きを聞きたいような聞きたくないような。
そんな複雑な心境でハル君を見上げていると、「やっぱ俺もガキだよな」なんて頭を抱えて呟く声が聞こえてきた。
「ハル君、私……」
「俺さ……」