恋いトビ。〜Teacher,teach me ?〜
夢の形がどうであれ、夢の為に頑張っている香里奈は生き生きとして輝いて見えた。
東大……とか、言うことのスケールの大きさには身をたじろぎそうにはなったけど。
それでも、そんな香里奈が羨ましくなる。
私の夢ってなんだろう。
夢……。
多分、本気で夢について考えたことは今までなかった。
友達ともそんな話をしたことなかったし。
漠然としていた現実が押し寄せてくる。
高校生っていう新しい世界に胸を弾ませていたけれど、実際は激流の波にのまれるかのように現実を叩きつけられる。
高校生って響きに幻想を抱いて。
高校生になったら少し大人になれるような気がして。
高校生に憧れを抱いて。
だけど現実はこんなものなんだ。
こんな時、もしハル君だったら何て言うのかな。
ハル君の言ってた“生きる意味”さえ未だに分かっていないけど、ハル君だったら私の夢の道しるべとなるヒントを与えてくれる気がする。
また小難しいことばかり言うんだろうけど、真剣に「夢はね……」って語ってくれる気がするんだ。
もう会うはずもない人に助けを求めたくなるほど、心が悲鳴を上げる。