恋いトビ。〜Teacher,teach me ?〜
「夢!?」
「うん。将来の夢」
家に帰った私は優美に電話をして、自宅近くのファストフード店で落ち合った。
お互いにハンバーガーを一つ注文して水をつけてもらい、窓際の禁煙席を陣取る。
働いていない学生の財布の中身じゃ、これが精一杯。
セット注文なんてもってのほか。
「紗夜香、どうしたの突然!?」
「……ん、あぁ。学校で進路希望調査があってね」
新しい高校での生活や友達。
進路希望調査や夢。
高校に入学して一週間だと言うのに話すことはたくさんあって、止まることなく私は話し続けていた。
優美は頷きながら真剣に話を聞いてくれて、ようやく話が一段落すると、
「香里奈って子、凄いね」
それが第一声だった。
私もそう思う。
二人でハンバーガーを口に頬張り、苦笑して黙々と食べ始める。
育ち盛りのお腹にハンバーガー一つは少し物足りないけど、とりあえず少しだけ空腹を満たす。
ハンバーガーを食べ終えて水を飲んでいると、優美がチラッと視線を向けてきた。
何かと思い声をかけようとしたら、言いづらそうに口を開いた。
「……私もね、夢あるよ」