ツンデレ王子とアリス



寮の近くの公園まで走ると、湊崎さんがアイスコーヒーを買ってくれた。


「やる」


「え?でも湊崎さんのお金ですよ」


私はアイスコーヒーを湊崎さんに返した。


「別に、お前のために買ったわけじゃないしたまたま当たりが出ただけだから」


…まさかツンデレ?


こんなに近くに漫画の萌要素の一つがいたなんて思いもしなかった私は静かに笑い、アイスコーヒーを受け取った。


公園に一つしかないベンチに腰掛け、私はアイスコーヒーを飲んだ。


「なぁ、楠原。お前ってなんであのチンピラに絡まれてたんだ?」


唐突な質問に、私は動揺した。


「別に言いたくなかったらいいが」


「は、話します!話します!」


私はあせりながらもさっきまでのことを話した。




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