ツンデレ王子とアリス



湊崎さんがおもしろくなさそうな顔をしている。


「…楠原、笑い過ぎ」


「すみません…」


私は笑うことをやめ、ハッとした。


湊崎さんはすごい形相でこちらを見ている。


怒らせてしまった…


どうすればいい?謝った方がいいのだろうか…


私が小さくなっていると、湊崎さんがふっと口元を緩めた。


「帰るぞ」


「ふぇ?」


「またさっきの輩に絡まれたら嫌だろ?男子寮から近いし送っていってやるよ」


…優しい


私は立ち上がり、湊崎さんの後ろについていき女子寮に向かった。


< 15 / 21 >

この作品をシェア

pagetop