ツンデレ王子とアリス
「楠原、今日学校内案内してくんね?」
昼休み、本を読んでいると私は湊崎さんに声をかけられた。
周りにはミーハーの人たちは珍しくいない。
そのことに安心しつつ、私は返答に困っていた。
「…どうして私ですか?」
「お前が一番暇そうで、別に話し相手がほしいというわけではない」
…つまり、一人では嫌だから話し相手がほしいというわけだろう。
「分かりました、しかし半径1メートル以上離れてください」
私はくぎを刺し、本を閉じて立ち上がった。