ツンデレ王子とアリス


「楠原、今日学校内案内してくんね?」



昼休み、本を読んでいると私は湊崎さんに声をかけられた。


周りにはミーハーの人たちは珍しくいない。


そのことに安心しつつ、私は返答に困っていた。


「…どうして私ですか?」


「お前が一番暇そうで、別に話し相手がほしいというわけではない」


…つまり、一人では嫌だから話し相手がほしいというわけだろう。



「分かりました、しかし半径1メートル以上離れてください」


私はくぎを刺し、本を閉じて立ち上がった。
< 18 / 21 >

この作品をシェア

pagetop