ツンデレ王子とアリス
この大男の名前は熊沢傍士(くまざわぼうし)
一応有里朱達のクラス、1-Aの担任である。
…が、超横暴で五月蠅いがため生徒の人気は低く、図体のでかさからあだ名が「クマ吉」という何とも可哀そうなあだ名が定着してしまった。(ちなみにつけたのは去年の三年生だ)
「えー、今日は転校生が来る、入ってこい!」
熊沢の声とともに教室のドアが開いた。瞬間、教室から悲鳴が上がった。
…いや、悲鳴というよりはよく言う「黄色い悲鳴」といった方が正しいのかもしれない。
理由は簡単だ。
―入ってきた転校生は、とても整った顔立ちの男子生徒だった。
色素の薄い茶髪につんととがった顎、意志の強そうな瞳、どこか日本人離れした彼は、教室内を見渡した。
「ねぇ!今彼私見たよ!」
「違う!私見たんだよ!!」
何とも言えない自意識過剰な女子生徒の悲鳴が上がる。
「湊崎 白兎(みなとざきはくと)です、よろしくお願いします」
瞬間、
「「「「「キャァァァァァァァァァァァ!!!!」」」」」
教室内の女子生徒全員(有里朱を除く)が悲鳴を上げた。
「席は…「私の隣!「いや、私!」」」
席の争奪戦が始まった。有里朱が興味なさげに見物していると、白兎と目があった。
「…漫画みたい」
「席は楠原の隣にする」
…Why?
瞬間、女子生徒全員(有里朱を除く)からのブーイングが上がった。