ツンデレ王子とアリス


早足で歩いていると、ふっと目の前に三人組のチンピラ風の男たちが現れた。

「あぶねぇなーちゃんと前見ろよ」

一番前に立っていたぐしゃぐしゃの鳥の巣頭の男が有里朱に近づく。


「なぁ、こいつ結構いけてね?」


意味のわからないことを言っている男たちは、有里朱の腕を掴み、引き寄せた。


「いや…!!」

一番前に立っていた男にバックを投げつけ、有里朱は全力疾走で寮まで走った。


しかし、有里朱は制服で相手は私服の男たちだ。


男子寮が見えてきたところで有里朱は捕まってしまった。


「いてえじゃん、怪我の治療費、払ってもらおっかな…」


男たちが下品な笑みを浮かべる。


怖い―有里朱を恐怖が支配する。

逃げなくてはいけない。しかし、動くことができない。


足の力が抜けそうになり、動けなくなる。


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