LOVE PRINCESS(壱&沙耶)



部屋に戻り、さっき沙耶ちゃんに渡そうと思っていた遊園地のチケットを見直した。


俺、駄目だな。
誘う事すら出来ないなんて。

……俺らしくもない。


沙耶ちゃんが、前に行きたい。っそう言っていた遊園地のチケットまで買ったのに。

これ……どーっすかな。


ヒラヒラ揺れるチケットを見つめながら大きく溜息を吐いた。


考えても仕方ないし、やっぱ誘うか!


寝転んでいたソファから、ガバッと起き上がりドアへと体を向けると。

ちょうど俺の部屋に入ろうとしていたのか、中を覗く沙耶ちゃんが目に入った。


「うおっ!」


あまりのタイミングのよさに俺は驚いてしまう。


「あー!
遊園地のチケットだっ」


そう言いながら、部屋へと飛び込んで来た沙耶ちゃんは目をキラキラさせてチケットを見つめる。


「い、行く?」


なんて、勢いで言ってみたりして。


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