LOVE PRINCESS(壱&沙耶)
次の日、遊園地にはピッタリの……どんより曇り空。
俺の隣では、沙耶ちゃんが空を見上げて今にも泣き出しそうな顔をしている。
「私……、雨女なのかな?」
「いいんじゃない?
晴れより曇りの方が、俺はいいよ」
「本当に?」
少し不安な顔で俺を見つめる沙耶ちゃんに、笑顔で頷いた。
「そっか!
じゃあ行こう、壱人君」
パアッと明るい笑顔を見せた沙耶ちゃんは、楽しそうに歩き始めた。