君と、秘密の神隠し
第一章
プロローグ
それは突然だった。
見慣れたはずの白い天井が、急に光を放ち始めたのだ。
星のようにキラキラと輝いて、まるで、特別な世界に来たような感覚だった。
大げさに言えば、宇宙の中にいた、と言えばいいだろうか。
ただ言いたいのは、私がただ事ではないことに巻き込まれてしまっているっていうこと。
けれど、その時の私は、ただ雲の上にいるような感覚に酔いしれるしかなかった。
ふわふわとした感覚の中、一瞬思い浮かべたのは、おばあちゃんの言葉。
そう、あれは私が5歳の時だった。
優しくて、綺麗なおばあちゃんの、最後に交わした言葉。
”100年に一度、神様は一人の女性を選ぶんだよ。
まるで天国のような場所に隠してしまうの。
――――え?なんのためだって?
それはね・・・?”
その後の言葉が、全く思い浮かばない。
モヤがかかったかのようで、思い出そうとすると頭が酷く痛む。
どうして、私はこんな所にいるのだろうか。