君と、秘密の神隠し
「てんめぇ、マジでいい加減にしろよ?!朝、一人で行くのが怖いの・・・とか言ってた奴はどこのどいつだぁ?!あ?!」
「ごめんなひゃい!わたひですわたひ!」
お願いだから離して~!!
手加減のなさ100パーセントの痛みは、毎日されていたとしても慣れないのに!
目の前の般若顔の男は、私の幼馴染である相沢 弘樹。
高校にはいって茶髪にして、耳にもピアスをあけている。
いわゆる、不良だ。
けど、なんだかんだ言って優しい。
だって、今頬に触れている手がすごく冷たいんだもん・・・。
ずっと、待っててくれたんだよね?
「チッ。遅刻する。行くぞ」
ジッと見つめていると、突然手を離し、寒さで赤くなった鼻を隠すようにマフラーに顔を埋めた。
舌打ちまでしちゃってさ・・・、昔は「りーちゃん」とか言って可愛かったのにさ?