君と、秘密の神隠し




「あ!待って弘樹!」


「ああ?!」


うっ!
そ、そんな怖い顔をしたって私には効かないもん!



目の前をスタスタと歩く弘樹に走りより、手をぎゅっと握った。


「あ・・・」


そんな低い、心地の良い声がボソリ、と漏れる。


「いつもごめんね?カイロ、買ったんだ!」


「・・・っあっそ・・・」


そのまま、弘樹のポッケの中に一緒に手を突っ込んだ。
すごくあったかい。


なんとなく顔を上げた。
すると、バチッと目が合った。



端正な顔をした弘樹の顔は、徐々に赤くなってきて・・・って、え?!


「なになに?!弘樹照れてる?!」


「は、は?!て、照れてねぇし!!ふざけんじゃねぇぞ!」



照れてるんだ!!
久しぶりのその反応に、思わず頬が緩む。


だって、弘樹は・・・、あたしの初恋の人だから。
それは、現在進行形で。





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