自称彼氏と自傷彼女。
あ、黒崎千里。有名なイケメン。
「…く、くろさきくん」
「咲坂?お前何やって…」
黒崎くんはあたしの手首を見て表情を変えた。
だよね、引くよね。
「お前何やってんだよ!来い、洗うぞ!」
「やっ…!」
「大丈夫だから。」
「でも…」
「大丈夫、人気の無い水道行くから。な?」
黒崎くんのその優しい様な安心させる笑顔に不覚にもきゅんとしてしまった。
あぁ、これが学校1のイケメンか。皆が騒ぐ訳だ。
「黒崎くん汚れちゃう」
「気にすんな」
「気にするよ…」
黒崎くんはあたしの血を嫌な顔しないで流した。全部、綺麗に流した。
自分の手首を洗ってるかのように傷口が開かないように優しく、あたしの手首を撫でた。
「咲坂、理由は聞かねぇからさ、もう、切んな」
「…」
「…いいか、」
「…」
「お前、俺の彼女にする。」
「はっ?!」
驚いて2人とも座ってる状態で顔を勢いよく上げると、
ゴツン
黒崎くんの顎にぶつかってしまった。