自称彼氏と自傷彼女。
4
―‐ろ、起きて
―‐いろ。
「音色、起きろ。」
「……んっ…」
あ、あたし寝ちゃったんだ。
あの後、千里はあたしを抱きながら子供を寝かしつけるかのように背中をさすってくれた。
そのお陰で嗚咽はおさまったが、どうやら放課後になるまで寝たらしい。
迷惑かけてばかりだな、あたし。
「千里、ごめんね、ありがとう。」
「いーえ。寝顔見れたしいいよ。」
「あ!だ、大丈夫?あたし涎垂らしてなかった?」
「そこ?大丈夫、可愛かったよ。」
「う、うるさいばか!」
千里はよく分からない。いきなり甘い台詞を吐いたかと思えば普段のお調子者に戻って。
たまに見せる意外な表情にドキドキしちゃってる自分が一番分からない。