自称彼氏と自傷彼女。


「あ、俺が取ってくるよ」

「え、でも悪いよ。」

「彼氏なんだから頼んなさい。」
「え、彼氏じゃないよ。」


彼はいつまであたしの自称彼氏で居るつもりでしょうか。嫌でもないけどね。


…別に嬉しい訳でもないけど。


なんなんでしょうかこの気持ち。自分でもわかりません。



「千里」

「ん?」

「…呼んだだけ。」

「何それ可愛い」


千里はそう言うとニコニコしながらあたしを一瞬だけ抱き締めて、屋上から出ていった。


先生に見付からないことを祈ろう。



「はぁ…」


色んな事があったな。ほんと。


< 20 / 25 >

この作品をシェア

pagetop