自称彼氏と自傷彼女。


あたしのお兄ちゃんが千里のお兄ちゃんだったり窓割ったり。


悪い1日では、無かったな。お兄ちゃんに会えるし、温もりを知ったし。




…それから暫くしてから千里が屋上に戻って来て、こっそり屋上を抜け出し帰宅中。


「千里、お兄ちゃん怒ってないかな?」

「ん?」

「お兄ちゃんね、あたしの所為でお父さんに殴られた事があるんだ。」

「…千景から聞いてるよ。迎えに行ったんでしょ?」


“千景”その名前を聞いて少しドキドキする。


「うん。」

「本当、似てるね。」

千里はそう言ってふふ、っと笑った。


似ている?あたし達が?いやいや、お兄ちゃんとあたしはどちらかと言うと似ていない。


あたしはお父さん似でお兄ちゃんはお母さん8割お父さん2割の良いとこどり。


そんなあたし達のどこが似ているのだろうか。


「千景も、“あいつ、俺が助けられなかったの怒ってるかな”って言ってた。」

「…」


千里ってお兄ちゃんとよく話すんだな。いいな。本当に兄弟みたい。あたしのお兄ちゃんなのに。


なんてちょっと嫉妬しちゃう。



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