自称彼氏と自傷彼女。


「お兄ちゃん、優しい人なんだね。」

「俺の方が優しいよ?」

なんて冗談を言ってくる。


だけどあたしからすればそれは本当に近い冗談。


「千里はお兄ちゃんと同じぐらい優しいから好き。」

「…お兄ちゃんっていう位置は嫌だな。彼氏でいいんじゃない?」
「やだ。しつこいばか!」


こうやって誰かと冗談を言い合うのが好き。


どうしようもなく楽しいんだ。何気ない会話が。



2人共冗談を言って後、笑うわけでもなく、ただ一点を見つめた。



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